生体認証2.0活用ビジネスモデル10(連載第3回)イベント入退場、ホテルのチェックイン、オンライン取引、そしてマッチングアプリまで

新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークをはじめとするインターネットを介した働き方が急速に拡大。さらに、今春からは次世代通信システムである5Gもスタートします。ネットワーク技術の拡充に伴い、場所を問わない働き方・暮らし方が広がる一方で、セキュリティへの意識も高まりを見せています。その中でセキュリティを担保するソリューションのひとつとして「生体認証」に期待が寄せられています。
この記事では、生体認証の技術を活用した事業展開の具体例を、すでに実用化が始まっているものから、これからの実現が期待される少し先の未来まで含めてご紹介します。最新テクノロジーを活用した生体認証サービスにアンテナを広げ、新しい事業展開を検討してみませんか?

目次

  1. 1. 次世代の生体認証はすぐそこに
  2. 2. 生体認証が活用されうるサービスとは?
    1. 2-1. 次世代エンタメサービス イベント入退場時に生体認証を活用
    2. 2-2. マッチングアプリ 本人確認強化で安心利用
    3. 2-3. ギャンブル市場 依存症対策に生体認証を
    4. 2-4. ホテルのチェックイン スマホ1つで部屋へ直行
    5. 2-5. コンビニのレジレス化 手ぶらで買い物、スマホいらず
    6. 2-6. オンライン試験 替え玉防止に生体認証
    7. 2-7. クラウド契約 本人確認でセキュリティUP
    8. 2-8. 携帯電話のオンライン購入 本人確認の行い方
    9. 2-9. せっかく浸透したテレワーク 生体情報を企業の健康経営へ
    10. 2-10. 未来の街・スマートシティ 生体情報で暮らしを豊かに
  3. 3. 生体認証サービスのメリットを整理
    1. 3-1. 利用者側のメリット 便利になる
    2. 3-2. 事業者側のメリット① セキュリティ強化・不正利用防止
    3. 3-3. 事業者側のメリット② 人手不足の解消とコスト削減
    4. 3-4. 事業者側のメリット③ 顧客満足度の向上・信用性の獲得
  4. 4. 生体認証サービスにご興味を持たれた方へ

次世代の生体認証はすぐそこに

2020年、年が明けて間もなく、テレワークが急速に浸透し始めました。新型コロナウイルス感染拡大に対応した働き方として、各企業が続々実施。社会現象となりつつありますが、準備ができておらずあわててテレワークのための整備を行った企業や、整備が間に合わずテレワークでの業務が機能できなかった企業の話も多く聞きます。

テレワークを実現するためのネットワーク環境や、グループウェアをはじめとするITツール、これらを活用するためのスキル教育など、以前から市場では多くのソリューションが実用化されていましたが、前もって情報収集し対応できていた企業と、先送りしていた企業とで、いざという時の対応に大きな差が見られました。

「生体認証」についてはどうでしょうか。

現在はまだ導入事例も少なく、社会に浸透しているサービスとはいえないかもしれません。ですが、イベントや施設への入退場の認証についての実証実験がいくつも行われており、官民学連携のスマートシティプロジェクトといったビッグプロジェクトが着々と進行している地域もすでに存在します。なんらかのきっかけで生体認証サービスが当たり前となる未来は近いのではないでしょうか。

気づいたときには「乗り遅れていた!」という事態にならないよう、この新しい技術である「生体認証」については、今から検討を始めておくのが得策。今回は、生体認証サービスの可能性について、すでに実用化され始めている事例から、少し先の実現が期待されるケースまで含めてご紹介します。

生体認証が活用されうるサービスとは?

実証実験が行われているもの、アイデアベースのもの、さまざまに集めてみました。

次世代エンタメサービス
イベント入退場時に生体認証を活用

すでにいくつかの実証実験が行われ、利用者側にも事業者側にも抜群のメリットがあるのが、次世代エンタメサービス向けの生体認証です。イベントの入退場時に参加者の生体情報を活用することで、スムーズな入退場が可能になります。事業者側ではチケットの不正転売、不審者防止による会場セキュリティの強化、本人確認の手間削減によるスタッフ減・運営コスト減等が見込めます。
東京オリンピックでも大会関係者を対象に活用されるべく対応が進められています。

マッチングアプリ
本人確認強化で安心利用

この数年で急激な伸びをみせている婚活・恋活を目的としたマッチングアプリ市場。2019年の伸び率は年率130%を超え、2025年には国内市場規模として1060億円に達するという予測※1もあります。ただし、利用者が増えれば増えるほど、多種多様な悪用が増えてくることは否めません。

マッチングアプリのアカウント作成時に生体認証を活用すれば本人確認を強化できます。未成年者の利用防止、業者などによるニセアカウント登録の防止は、サービスの信用性確保にもつながるでしょう。また、顔写真を使った本人確認では免許証の顔画像と登録の顔画像を照合するため、実物とかけ離れた顔写真を登録することはできません。利用者は安心して利用でき、「会ってみたら、全く違う顔だった!」といったことも減らせる可能性が高くなります。

※1: https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/27/news089.html

ギャンブル市場
依存症対策に生体認証を

国内ギャンブルの代表格といえば競馬。ここにはすでに2018年から生体認証が活用されてきています。馬券の紛失や、払い戻しによる硬貨の増大を解消するため、キャッシュレス購入できるようにしたことがきっかけでした。これにより、高額のやりとりが発生する際にも高いセキュリティで運用できるようになっています。

昨今のIR統合型リゾートの誘致をめぐっては、カジノの運営方法に話題が集まっています。カジノはギャンブル依存症を発症させやすいとされ、法案についても議論が重ねられてきました。ここでの生体認証活用方法としては、未成年者だけでなく、ギャンブル依存症の方の利用防止に役立ちます。事前に家族によって生体情報(たとえば顔)が登録されていれば、本人がどうしても行きたがってこっそり入場しようとしても、生体認証のチェックによって入場させないといった仕組みが考えられます。

ホテルのチェックイン
スマホ1つで部屋へ直行

2016年には、訪日外国人向けに生体認証を活用したホテルへのチェックインの実証実験が行われました。旅館業法では、訪日外国人が宿泊施設にチェックインする都度、パスポートを呈示することが定められていますが、これを生体情報で簡便化。生体情報はパスポート情報とみなされ、パスポートなしでチェックインが可能とされました。

最近では、スマートフォンさえあればホテルを利用できる仕組みが注目されています。宿泊者が事前に登録したパスポートの顔写真と、ホテル入館時に撮影された顔を照合し、チェックインが可能。スマートフォンが部屋の鍵にも、テレビやエアコンなどのリモコンにもなりうるシステムは、すでにシンガポールやマカオでのホテルで導入済みとのこと。

コンビニのレジレス化
手ぶらで買い物、スマホいらず

生体情報で入店、商品をピックアップしたら、そのまま家路へ――。スマートフォンさえ不要の買い物の試みが始まっています。天井に設置されたカメラと商品の棚に設置されたセンサーで購入商品が判別され、退店時にはキャッシュレス決済が完了。利用者はレジに並ぶ必要がなく、手ぶらでOK。事業者側は人件費のカットや、レジ待ちをなくすことを期待しています。

アメリカではすでに同様の仕組みを備えた「Amazon Go」が展開中。日本ではコンビニエンスストア各社がレジレス化の実証実験を始めており、ドラッグストアなども興味を示し始めています。生体情報による年齢確認が認められるようになれば、酒やたばこなどの販売も可能になるかもしれません。

オンライン試験
替え玉防止に生体認証

“替え玉受験(試験)”とは受験者以外の者が受験者になりすまして試験を受けることで、古くから問題視されている不正のひとつ。現在は、受験票の写真と当日試験会場の実物を比べて “本人かどうか” 人間の目によって確認するのが主流です。この本人確認に生体情報を活用することは、アメリカでは10年以上前から実施済み。試験の不正を防ぐことが目的です。

昨今、オンライン学習が広まってきたことを踏まえ、オンライン試験に生体認証を導入する構想が広がっています。生体情報でチェックされるとなれば、替え玉受験は困難を極めます。実力勝負の戦いです。

クラウド契約
本人確認でセキュリティUP

国内で一般的に使用されているウェブ完結型のクラウド契約サービスでは、メール認証のみで契約へのサインが可能な仕組みとなっています。メールの受領で本人確認が完了されたことになっていますが、ここに生体認証機能を追加すると、より高いセキュリティが望めます。現状の仕様では、承認権者以外の社員が書類にサインしてしまい、契約が締結されてしまうといった事態が起こりかねません。こういったコンプライアンス強化のためにも生体認証が役立つのです。

携帯電話のオンライン購入
本人確認の行い方

国の定める携帯電話不正利用防止法では、音声SIMを含む携帯電話の販売に関して本人確認が必須となっています。店頭で購入する際には免許証等を呈示すればよいのですが、オンライン購入時には転送不要郵便を受け取ることで本人確認が完結するパターンが主流。2018年の犯収法改正で金融機関口座開設時等にeKYC(オンラインでの本人確認方法)の利用が認められるようになったのと同様に、携帯電話購入時にもeKYCの利用が認められるのではと予想されています。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000458733.pdf

せっかく浸透したテレワーク
生体情報を企業の健康経営へ

冒頭にも触れましたが、テレワークが急速に浸透しています。そこで必要となるネットワークを介した業務システムへの接続時に生体認証が利用されるパターンはよく見かけられます。その一歩先を行くと、テレワーク中に測定された生体情報から、社員の健康管理を行い、企業の健康経営を推進するアイデアが考えられます。顔色や体温、居眠り等からストレスチェックを行い、業務効率化、経営改善につなげることは、近い将来の人事課題となるかもしれません。

未来の街・スマートシティ
生体情報で暮らしを豊かに

顔認証だけで車が自動運転され、病院では診察券いらず、さまざまなサービスが受けられるようなスマートシティ構想が複数の地域で広がっています。代表的なのは千葉県柏市にある「柏の葉スマートシティ」。公民学が連携して、環境共生、新産業創造、健康長寿を都市の3本柱とし、街づくりを進めています。2023年開業を予定している「北海道ボールパーク(北海道北広島市)」でも、次世代ライブエンターテイメント、最先端ウェルネスライフ、未来型リビングコミュニティの3つを重点テーマに掲げており、生体情報を活用したサービスが期待されています。

https://www.kashiwanoha-smartcity.com/
https://www.hkdballpark.com/

生体認証サービスのメリットを整理

最後に生体認証の活用によるメリットを整理しましょう。

利用者側のメリット
便利になる

イベント時の入退場がスムーズになり、コンビニは手ぶらで買い物が可能。ホテルのチェックインは不要でスマホがカードキーやリモコンにもなる――生体認証によって利用者が便利になるシーンが多く考えられます。顔パスで暮らしが成り立つようなスマートシティの実現にも生体認証は欠かせません。指や手が不自由で入力作業が難しいような方にもやさしいシステムであり、ダイバーシティ促進の一手となりうるのです。

事業者側のメリット①
セキュリティ強化・不正利用防止

生体情報による本人確認は、送金や受験、ギャンブル、出会い系マッチングアプリなどにおいて、なりすまし防止のために活用されます。法に触れるような不正利用を防ぐことにも役立つでしょう。

事業者側のメリット②
人手不足の解消とコスト削減

ホテルのチェックインやコンビニのレジレス化、入退場管理など、生体情報をレコーダーに読み取らせるといった活用方法は、人的コストの削減に直結します。つまり、業務を継続するのに必要な人的コストを抑えることで、人手不足の解消が見込めるのです。

事業者側のメリット③
顧客満足度の向上・信用性の獲得

生体認証により、安全でスムーズ、気持ちのよいサービスを受けられたなら、顧客の満足度は向上します。高額の送金時にもセキュリティが担保されていること、ニセアカウントが防止されたマッチングアプリなどに利用者はより信頼を寄せるようになります。サービス利用者数が増え、サービスの拡大と事業の発展が見込まれます。

生体認証サービスにご興味を持たれた方へ

今回ご紹介した活用例は一部にすぎません。生体情報を活用したサービスはあらゆる生活場面で広まっていくと考えられています。次世代の生体認証サービスをキャッチアップし、事業展開を検討してみてはいかがでしょうか。

生体認証にご興味を持たれた方、また、実際のサービスについてお知りになりたい方は、こちらのページからお気軽にお問い合わせください。

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